NO WASTE

論理的に、そして感情的に。

声優ではなく、アーティストとしての楠木ともりが好きです。

その日、僕は人生のなかでも大きめの決断を迫られていました。時間は限られていて僕の一存で決められることでもありませんでした。このままだとライブに行けないかもしれない。一時は本気でそう思いました。

しかし様々な方の協力を得てなんとか納得のいく決断を下し、僕はTOKYO FM HALLに辿り着くことができたのです。2018年12月16日の夜。暖冬と囁かれているだけあって、吐息は白くありませんでした。

 

f:id:Takuetsu_Ayabe:20181222200346j:plain


楠木ともりさんのバースデーライブ『scene of light』夜の部に参加してきました。

その感想を綴ります。

楠木さんご本人について語った記事もあるので、併せてご覧ください。

takuetsu-novels.hatenablog.com

 

セトリ(公式Twitterより)

f:id:Takuetsu_Ayabe:20181222200501j:plain


驚いたのは、セトリからアニソンを引き算していたことです。
『女性声優のライブ』のイメージを良い意味で壊してくれました。

 

僕は彼女が出演しているアニメをすべて追っているわけではない(というか虹ヶ咲とGGOくらいしか見ていない)ので、知らないアニソン/キャラソン多めなんだろうな~と思っていたんですが、杞憂でした。

「みんなが平等に知らない曲をやろうと思った」と楠木さんは語っていましたが、その心意気に救われたような気分になったのを覚えています。


あの日、彼女は声優としてではなく、アーティストとしてステージに立っていたのだと思います。
お客さん(メインのファン層)が喜ぶことだけを考えればアニソン/キャラソン中心に組むべきだったのでしょう。
しかし彼女はその真逆を行った。
アニサマでも披露して彼女の代名詞になりつつある『To see the future』すら外してきました。
その徹底した選曲から、これが私だ!という主張を感じました。そういう芯の強さが僕は好きです。

(あくまで僕の感じ方ですけどね。こういうところから「楠木ともりはこうあるべきだ!」みたいな思想に陥っていき、その果てに公式との解釈違いを起こすんですよね。そういうオタクをたくさん見聞きしてきました。気をつけよう…)

 

さておき。
「みんなが平等に知らない曲を」という心意気を素敵だと思ったのは事実である一方、僕は(オリジナル曲を除くと)以下の3曲だけ知っていました。
シンプルに、知っている曲をやってくれたうれしさもありました。

 

M1 蜂と見世物/さユり
M6 birthday song/さユり
M7 ニュートンの林檎/ハルカトミユキ

 

僕がさユりさんとハルカトミユキさんを知ったのも、楠木さんがきっかけです。
何かのインタビューで彼女が好きなアーティストとして挙げていたのを見て、興味を持ちました。
まだご両名のライブには行けてないんですが、来年は行きたい。

 

推しごとに限らず、好きな人の好きなものを知ってみるって大事ですよね。
相手の趣向を知るという意味もありますが、単純に自分の好みのものに当たる確率が高いように思います。
好きな人の好きなものによって好きな人の一部は構成されているんですから、その人のことを好きである自分の好きにも当てはまりやすいとか、そういう話です。日本語難しいですね。

ハルカトミユキさん楽曲だと『ニュートンの林檎』は特に好きな曲だったのでうれしかったです。

ドライアイス』『mosaic』『振り出しに戻る』あたりもいつか楠木さんの声で聴きたいと思うけど、望み過ぎかな…。

 

バースデーソング枠にさユりさんを持ってくる攻め方も好きです。
普通もっとポップでおめでたいの持ってくるでしょ。
こういう選曲からも彼女の価値観が垣間見えていいですね。
さユりさん楽曲だと『平行線』『アノニマス』あたりをやってみて欲しいです。

 

彼女自身が作詞作曲したオリジナル曲は、4曲披露されました。
特に『クローバー』は今年の夏頃にアニゲーイレブンで紹介されてからずっと聴きたかったので、念願叶ったりの心地でした。
もちろんCDに入ってるアコースティックverも良かったですが、バンドアレンジも疾走感があって良かった。
一夜限りの音楽にしておくのはもったいないので、アルバム未収録の2曲含め、音源化お願いします…。

 

さて、『クローバー』に関連して、少し真面目な話。
『クローバー』披露前のMCでも話していましたが、つらいことをそのままにせず、前向きに捉え直そうとする彼女の信条が好きです。
僕も同じような想いで小説を書いているからです。

 

つらいことが起きた事実は変えられません。
でも、それを前向きに解釈することはできます。

 

僕の場合は、どんなにつらい経験もぜんぶ小説に活かせると思っています。
不幸自慢に聞こえるかもしれませんが、僕はたぶん普通の人よりも、ちょっとだけ多く嫌な思い出を持っています。
片親だったり、中学時代にいじめられたり、家にお金がなくて高校で部活ができなかったり、大学の学費をぜんぶ自分で払わなきゃいけなくなったり、学費稼ぐために休学したり、ゼミの人間関係が上手くいかなかったり、挙げ句のはてに自殺未遂したり…。

 

でも、自分の意思と技巧次第で、それらを表現に活かすことはできるのだと、ある人から教えてもらいました。

 

たとえば誰かの痛みや迷いに寄り添うような物語を書くときに、嫌な思い出も役に立つはず。
ファミレスで友人たちがデザートを頼むのを傍目に、お金がないからと水を啜っていたときの惨めさも、いつかきっと小説に活かせる。
だから表現の道を歩んでいる限り、人生に無駄な瞬間はない。
そう思わせてくれるから、僕は小説を書くのが好きです。決して楽ではないけれど。

 

世の中は無駄や理不尽ばっかりに見えてしまうかもしれないけど、そこに意味を見出せるのは、自分しかいない。
だから、考えることをサボらず、表現の糧を日々獲得していきたいと思います。
それができているように言動や曲から感じるので、僕は楠木さんを尊敬しています。

 

ご本人も言ってたように『クローバー』の歌詞は暗いけど、それを歌い上げる姿から、確かに前向きなものを感じました。
僕も彼女のように良い作品を仕上げ、より多くの人に届けられるようになります。もう少し、時間はかかりそうですが。

 

さて、ここまで度々名前を出している『クローバー』という曲。
気になりますか? 聴きたくなってきましたか?
ご安心ください。事後物販があります。
https://www.rocket-exp.com/tomori_kusunoki/

買っておいた方がいいですよ。たぶん伝説の一枚になります。

 

そうそう、楽曲と言えば、当日の席はスピーカーがちょうど目の前だったんですよ。高さも立った僕の頭と同じくらいで、遮蔽物もありませんでした。
推しの歌声を直で浴びてる感じがしてドキドキしました。

 

身長が身長なのでステージもよく見えました。普段は不便の多い体だけど、こういうときだけは感謝です。なるべく腕を高く上げたりしないよう気をつけてはいましたが、後ろの人、見づらかったらごめんなさい。
睨まれてたらどうしようと思って振り向けませんでした。チキン野郎なんです。クリスマスだけに。(これ絶対に書く必要なかっただろ…)

 

『scene』という言葉について。
「好き」「場面」「風景」など、色々な意味がある言葉だと、楠木さんが教えてくれました。
ライブのコンセプトに関して彼女は「私が成長したところを見てほしい」とおっしゃっていましたが、僕は彼女を知って日も浅く、彼女が絡んでいるコンテンツをすべてチェックしているわけでもないので、成長したなあという感想は持ちませんでした。
ですが、成長したんだろうなあという感覚は確かにありました。
最初からあんなパフォーマンスできる人なんていないでしょうから。
それに、sceneを直接見ていなくても、想像することはできます。そこからでもきちんと伝わるものはある気がします。

 

ちなみに『scene』という言葉は「(劇が演じられた)テント」を意味するギリシャ語『scenic』が語源らしいですね。
そういえば会場のホールのかたちも、天井に向かって先細っていく、まさにテントの形をしていたような…?
まあ、さすがにこれは99%僕のこじつけでしょうね。とはいえ縁のようなものを感じたのも事実なので、書き残しておく次第です。

 

締めます。
楠木さんは本日12/22付で19歳になられました。(おめでとうございます!)
本当に、これからの活躍/成長が楽しみです。
更に捻りが加わった歌詞だったり、パフォーマンス中の目線をより客席に向ける姿を期待しています。
若さ。これからの可能性。どんな風に羽ばたいていくんでしょうね。
「俺、楠木ともりの最初のバースデーライブ行ったんだぜ」と色んな人に自慢できる日が楽しみです。
その日はきっと、そう遠くないと思います。

 

さて、応援ばかりではなく、僕もはやく立派なミステリ作家にならなくてはなりません。
気合いを入れ直して、2019年は積極的に新人賞へ応募していく年にします。

 

結果を出した暁には、楠木さんを含めた、僕の尊敬する方々との対談を実現させたいです。人生観とか表現を志すようになったエピソードとか、色々聞いてみたい。

 

もちろん、目下の夢である『全国の図書館に自分の小説を置いてもらう』も叶えます。
なんだかんだ小説はひとりじゃ書けないので、応援してくださるかたがいたらうれしいです。

 

最後に宣伝です。
僕のじゃなくて、楠木さんの。

www.sma.co.jp

朗読劇ですって。しかもミステリ。

僕も行きます。一緒に観劇してくれる人がいたらうれしいです。

 

それではこの辺で。

 

ちょっと早いですが、良いお年を。