NO WASTE

論理的に、そして感情的に。

Step Zero to One

小さい頃から本が好きでした。
中学生くらいまでは専らファンタジーを。それ以降はアルセーヌ・ルパンやシャーロック・ホームズを。ルパンやホームズははっきり言って内容は殆ど理解せず、読んでいる自分に陶酔するために読んでいました。思春期特有の症状ですね。とはいえ、漠然とではありつつも、明晰な頭脳で謎を解く登場人物たちに憧れを抱いていたのも確かな事実です。
 
それからミステリーというジャンルにも手を出すようになりました。そして、一冊の本格ミステリに出会いました。綾辻行人先生の『十角館の殺人』です。すべての真相を示すあのたった一言の台詞が私に与えた衝撃たるや。この世には、こんなにも鮮やかな文章があるのかと。全身が粟立ったあの感覚は忘れられません。初めて心の底から「ミステリー小説って面白い!」と思えたのが、この瞬間でした。
 
こういった読書遍歴の中、常に心の底を細々と流れ続ける想いがありました。
即ち、小説家になりたいという想いです。
 

 

しかし同時に、なれるわけがないと諦めてもいました。
だって、小説家は一部の才能ある人たちの職業だから。自分にそんな特別な才能なんてないからなれるはずはない、と。何も試してすらいないのに。
 
その気持ちが変わり始めたのは、ラブライブに出会ってからでした。夢に向かって駆け抜ける18人を見て自分も頑張ろうと思えたのは私だけではないはずです。
 
ラブライブの他にも、やろう!と思ったきっかけはいくつかあります。それは南條愛乃さんがラジオで発言していたある一言だったり、懇意にさせて頂いているミステリ作家さんから贈られた言葉だったりするのですが、詳しい話はまたいつか当ブログで紹介しようと思います。
とにかく、少しずつ自分の夢に素直になろうと思えるようになっていったのです。
 
しかし、ここが私の弱さなのですが、いざやってみようとしても足が動きませんでした。
気持ちは前向きになれたけど、具体的なアクションを起こせない。『いつか』や『その内』だけが堆積し、ただ彼女たちを遠くから眺めるだけになってしまっている。そんな状態がしばらく続きました。同じような心境に陥っていた(あるいは今も陥っている)方も、多いのでは?
 
そんな折、いよいよ一歩踏み出さねばならないと思ったきっかけが訪れました。
それは、2016年4月1日。私たちの胸に焼き付いて離れない、あのライブです。
 
皆さんはあの日、μ'sから何を受け取りましたか?
 
私は夢へ向かって踏み出す勇気を受け取りました。
MOMENT RINGにある『新しい夢が生まれてくるとぼくたちは知ってるよ』という歌詞。それを彼女たちの歌声に乗せて聴いた時、私の胸に詰まった『いつか』『その内』は一撃で吹き飛ばされ、奥で燻っていた想いが燃え始めたのです。
私は思いました。
ああ、受け取ってしまった、と。
そして受け取ったことを、彼女たちは"知っている"。ならば逃げる訳にはいかないだろう、と。

さて。
きっかけの日から約1年経った2017年3月12日。
この日、大田区産業プラザPIOにて催された僕らのラブライブ!15というイベントにて、私、綾部卓悦は『音ノ木坂学院の死』という同人小説を頒布しました。
当然のことながら、会場にいた皆様にとっては単なるいち同人誌だったことでしょう。
ただ、私にとっては、大きな意味付けのある作品です。
 
過去にもお遊び程度に物語を綴った経験はありました。
しかし、執筆という行為に真剣に取り組んだのは、今回が初めてでした。
そういった意味で『音ノ木坂学院の死』は自分の中での処女作であり、同時に、夢への第一歩を踏み締めた実感を伴う、思い入れの強い作品となったのです。
 
そう。
音ノ木坂学院の死』は、プロのミステリ作家になるためのFirst Stepということです。
たかが同人誌。されど同人誌。私は、私なりに、真剣に取り組んだのです。
 
3月12日といえば、奇しくもAqoursの1stライブの直後でした。
彼女たちの第一歩と、綾部卓悦の第一歩。
そのタイミングが近かったことに、ほんの少しだけ運命的なものを感じました。
向いている方向は別々ですが、彼女たちの勢いに負けないよう、精進します。
 
……いや、ほんとに、精進しなくてはならないのです。
あまり自分の作品を悪く言うと読者の皆様に失礼なので小さなボリュームで言うのですが、トリックは古いし、物理的な根拠には欠けるし、動機と仕掛けのバランスは悪いし……もう、反省点ばかりでして。
本格ミステリと大見得切ったのも、本当は少しやりすぎだったかなとも思っているのです。(後悔しているわけではないのですが)
 
ともかく、今後の作品では、今作の反省を活かし、より良いものを書きたいと思います。
 
長くなってしまいました。
仰々しい挨拶は苦手なので、シンプルに締めます。
 
今後のブログでは、以下のテーマを書こうと思います。
 
・ライブの感想
 Aqoursに限らず。ラブライブとは無縁のライブ、あるいは過去のライブについて。
・同人誌のマーケティング
 僕ラブ15である程度の成果を出せたので、私なりに工夫した点についてつらつらと。
・頂いた感想のご紹介
 以下フォームより頂いた感想の中で、紹介可として頂いたものに関して。
・綾部卓悦の人生観
 何かしら思うことがあったときに。
・次回作について
 ただの呟きになるかもしれません。
                        and more...
 
今後ともよろしくお願いします。