無駄はない。

論理的に、そして感情的に。

内浦ふしぎ発見

ダイヤさんの実家のモデルである『大川家』

そして、雑誌『DIVER』の企画で伊波さん、逢田さん、諏訪さんが訪れた『海のステージ』

 

6月頭に伺った上記2つのスポットで、僕はミステリーの気配を感知しました。

 

■File1.消えた朱印状

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まずはダイヤさんの実家のモデルとなった大川家です。

史跡としては長屋門と呼ばれる部分だけで、それより中はあくまで一般の民家です。

もう本当に民家。足を踏み入れた途端に通報されないか不安になるくらい民家です。

 

今回の旅の目的は(後付けながらも)執筆中の長編のための取材としていたのですが、

さすがにこの雰囲気では、上がらせていただくのは難しいかなと思っていました。


しかし、成果なしでは帰れない。

そんな想いが僕の背中を押します。

 

少し敷地に踏み込んだ後、勇気を出して「ごめんください!」と呼び掛けると、奥から

和やかな表情をしたご婦人が姿を現しました。

挨拶を交わし、僕は「このお宅がラブライブというアニメの舞台になっていると聞いて

やってきました」…と伝えようとしたのですが、「ラブライブ」の「ラブ」くらいまで

口に出したところで、奥様は合点がいったという様子で微笑み、玄関の方へどうぞとお

っしゃってくださいました。

 

やけに慣れた応対だと感じたのですが、玄関を開けると得心しました。

驚いたことに、いわゆる「祭壇」が目に飛び込んできたのです。


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各種グッズや降幡さんのサイン、更には交流ノートまで置いてありました。歓迎ムード全開じゃねーか!

 

さておき。

広間に上がらせていただくと、すぐに見覚えのある光景でした。


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ダイヤさん推しの僕としてはついつい呼吸が深くなりましたね。(意味深)

 

奥様はサンシャインに関することを積極的にお話してくれました。

この広間が何話のどのシーンに出てきたかがまとめられた資料(ファンの方が作って寄

贈してくれたそうです)を交えながらの説明や、アニメスタッフによるロケハンの状況

や、フォトジェニックという雑誌の撮影で降幡さんがいらっしゃった時のことなど…。

思わず目的を忘れそうになるくらい、楽しいお話を聞かせてくださいました。

 

もちろんそれはそれで興味深かったのですが、僕がここに来訪したのは、黒澤家のモデ

ルとなった一族の歩みを知るためです。

 

ラブライブトークもそこそこに、不躾ながらも「実は網元の歴史にも興味があって…」

と切り出しました。

 

切り出した瞬間、奥様の顔付きが少しだけ真剣味を帯びた気がしました。

思わず僕もうわついた思考を棄て、背筋を伸ばします。

 

奥様は貴重な資料を交えながら親切に網元の歴史を教えてくださいました。


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ただ、ここでその詳細を述べることはしません。

僕自身、語れるほど調べてきれていないというのと、既によくまとめられた記事があるからです。

ぜひこちらも読んでみて下さい。

(リンク掲載の許可はいただいております)

tegi.hatenablog.com

 

さて、ばっさり要約します。

大川家は内浦という土地の権力者でした。

その関係で、行政とも権利書や命令書をやりとりしていたと、奥様に教えていただきました。

 

そして、その政府とのやり取りに使われた文書が、大川家には多く保存されていました。

これを発見したのは渋沢敬三という人物ですが、この人物の詳細は先に紹介したブログ

内に詳しく記載されているので割愛します。

 

それらの文書の中に『朱印状』というものがあったそうです。

土地の権利書のような書類と考えていただけると分かりやすいかと思います。

 

さて、大川家には全部で17枚の朱印状が保存されていたのですが、僕はこれらの文書に

ミステリーの気配を察知したのです。

 

この朱印状が発見されたのは昭和初期のことなのですが、これらの原本は国の保管施設

に移送されることになりました。

内浦の漁業史を分析する上での大変貴重な資料ですから、当然の措置といえます。

 

しかし、移送の際に、あるトラブルが起きてしまいました。

 

17枚の内の1枚が、消失したというのです。

 

移送が行われたのは昭和初期。

なるほど、時代も時代ですから、今ほど厳密な管理ではなかったかもしれません。

紛失なり盗難なりという可能性は充分に有り得るでしょう。

しかし僕はこの話を聞いたとき、違和感を覚えずにはいられませんでした。

 

――なぜ、1枚だけなのでしょう?

 

常識的に考えれば、形も紙質も同じ17枚の書類を、個別に管理していたとは思えません。

そして、17枚をひとつの束にまとめて管理していたのであれば、紛失なり盗難なりに遭

ったとしても、それらは一蓮托生の関係であったと考えるのが自然ではないでしょう

か?

 

しかし、実際に消えたのは1枚だけ。ここに推測と事実の齟齬があります。

 

僕は訝しみました。

朱印状の消失には、何者かの作為があったのではないか、と。

作為があったということは、動機があった。

17枚の内から1枚だけを抜き取った動機とは何か。

失くなった1枚に何か特別な付加価値があったのではないか。

では、その付加価値とは何か…。

 

奥様はこれに関するとある事実を話してくださいました。

即ち、失くなった1枚を含めた17枚の複写(コピー)は、今もなお大川家に現存すると

いう事実です。

 

残念ながら、17枚のどれが消えた1枚なのかは分からないとのことでした。

なので朱印状の内容から動機を推測することはできません。

 

しかし重要なのは、複写が残っているという事実です。

複写があるということは、朱印状の内容は現存しています。犯人が、朱印状に書かれた

内容を葬りたかったのであれば、詰めが甘かったということになります。

 

しかし、犯人の意図が別にあったとしたら?

 

原本であることに価値があったのか。

紙そのものに何らかの仕掛けが施されていたのか。

1枚だけが消えるというシチュエーションそのものを欲したのか…。

 

考えれば考えるほど、想像が広がっていきます。

 

もちろん、事実としては単純に1枚だけ束から抜け落ちたとか、ありきたりなことかも

しれません。

ですが、そういった謎の気配を捉えて想像を膨らませてしまうのが、ミステリファンの

悲しき性なのでしょう。

これが、内浦で出会ったひとつめのミステリーです。

 

■File2.スカンジナビア号の謎

まずはこちらをご覧ください。
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立派な船の模型です。


実はこの船、つい10年ほど前には実際に内浦の海に錨を下ろしていたのです。

名をスカンジナビア号といいます。


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(浮かんでいたのは、なんと長井崎中学校のすぐ近く!)


かの船が内浦にやってきた経緯は省きますが、長きに渡り海上レストランとして稼働し

ていました。

しかし、バブル崩壊を契機に経営は傾き、やがて海上レストランとしての営業を断念す

る運びとなってしまいました。

 

その後はスカンジナビア号を内浦に残そうという動きもあったようなのですが、最終的

にはスウェーデンの造船会社へその身を引き取られることになりました。

 

2006年、スカンジナビア号は多くの住民に惜しまれながら内浦を去りました。

しかし、スウェーデンに辿り着くこともなかったのです。


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そう、沈没です。

ここでまた、ミステリファンの悪癖が顔を出します。

 

なぜ、スカンジナビア号は沈没したのか?

 

ただの事故だった可能性は大いにあります。

実際、長期間渡航していなかったために強度面での不具合があったという説が有力です。

 

でも、もし、この沈没が意図的なものだったとしたら?

そんな風に考えてしまうのです。そしてその想像も、まったくの無根拠ではないというのが面白いところなのです。

 

長井崎中学校近くにある富士見トンネルを抜けた先に「海のステージ」というカフェがあります。

ここにはスカンジナビア号に関する資料がたくさん展示されています。

 

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(これまで載せたスカンジナビア号にまつわる写真はすべて海のステージさんで撮影させていただいたものです)

 

当然といえば当然かもしれませんが、従業員の方々もスカンジナビア号について詳し

く、業務の合間を縫って色々とお話を聞かせてくださいました。

 

その中で沈没の背景の話になったのですが、ここで僕は非常に面白いお話を聞きました。

実は、スカンジナビア号の沈没によって金銭的に得をした組織があるというのです。

 

その組織は現存しているので詳細を語ることは自粛しますが、もしかしたら彼らが作為

的にスカンジナビア号を沈めたのかもしれない…。

思わず、そんな想像を膨らませてしまいました。

 

他にも可能性は考えられます。

もしかしたら、スカンジナビア号の内部には何者かにとって都合の悪いもの(例えば、

床に染み込んでしまった何かなど)が残っていて、それを隠滅するために船ごと海の底

へ沈めてしまったのかもしれない…。などなど。

 

これが、ふたつめのミステリーでした。

 

 

いかがだったでしょうか。

いずれも現地の方々に話を聞いて、僕が強引な解釈をしただけなのですが、少しでも僕

が感じた浪漫が伝われば幸いです。

 

繰り返しですが、事実はどうあれ、想像する余地があるということに魅力を感じたとい

う話でした。

関係者の皆様に怒られかねない取り上げ方だったかもしれませんが、このような関心の

持ち方もあるのだとご理解いただけると幸いです。 

 

以上、似非ミステリーハンターの戯言でした。

ここまでご覧くださりありがとうございました。

 

いやあ、タイトル落ちでしたね。